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信長と相撲、という組み合わせを見つけて、へえ、合戦の合間に観戦していたのかな、と思ったら。
ちょっと待って。力士を家臣に迎えたという話まであるよ!
ここを「信長は相撲好きでした」の一文で終えるのはもったいない。見ること、その場で評価すること、人を迎えること。相撲の記録を入口にすると、戦場の外で信長が人とどう関わったのか、別の問いが立ってくる。
ただし、常楽寺の相撲と安土の相撲は、年も場所も違う。大勢を集めた話と、二人を召し抱えた話を勢いで一つにつなぐと、資料にない大会を作ってしまうんだよね。
まずは二つに分けよう。ここからが面白いところ!
この記事では、滋賀県立図書館の公開資料で出来事の輪郭を押さえ、出版社の目次で『信長公記』のどこを探すか考える。購入候補は太田牛一著・中川太古訳『現代語訳 信長公記』。本の全文を読んだ感想ではなく、相撲の記録へ進むための資料案内として、一緒に読む順番を決めていくね。
相撲好き、で終わらせない。観覧の先に登用の話がある
最初の答えは、相撲を観覧した信長が、力士を召し抱えたことを紹介する図書館資料がある、ということ。
滋賀県立図書館の「ナマズの知恵袋」第44号、2015年4月1日発行の「湖国と相撲」は、『信長公記 全』を挙げて信長と相撲の関わりを説明している。その中に、常楽寺で二人の力士を御家人に迎え、相撲奉行にしたという紹介がある。
見ていた。強さを認めた。役目を任せた。
この最後の部分まであると、読むときの焦点が変わるよね。勝負の結果を知りたいだけだったところから、その後にどんな立場を得たのかも確かめたくなる。
でも、「相撲が強ければ誰でも信長の家臣になれた」と一般的な採用条件にするのは、ここでは飛びすぎ。紹介されている二人の出来事と、信長の家臣団全体の仕組みは、問いの大きさが違うから。
まず一つの記録の中で、競技をした人、褒美を受けた人、召し抱えられた人、役目を与えられた人が、それぞれどう書かれているかを見たい。全員を同じ集団にしてしまわず、動作の主語を追う読み方がおすすめだよ。
たとえば読書メモなら、「力士」「信長」「役目」の三つだけ、最初に空欄を作っておく。名前が出たら力士の欄へ、信長がしたことは中央へ、任された仕事は最後へ。読んでいる途中で、褒美をもらったことと家臣になったことを取り違えにくくなる。
これなら知らない人名が続いても、全員を覚えるところから始めなくていい。今知りたいのは、誰に何が起きたか。その関係が見えたら、名前を調べるのは次でも間に合う。
史料を読む入口として使う本は、後で紹介する中川太古訳の現代語訳。人物名や文章を追いながら、相撲の後に続く記述も確かめたい人の候補になる。
常楽寺は1570年。二人の登用を、まず一つの出来事として読む
常楽寺の方からいこう。
図書館資料が取り上げるのは、元亀元年、1570年の3月3日の相撲。江州の相撲取りを集めたことと、二人を召し抱えて相撲奉行にしたことが紹介されている。
ここでメモする日付は「元亀元年3月3日」。西暦の年を添えるなら1570年。日付まで現在のカレンダーに換算したつもりで「1570年の新暦3月3日」とは書かないでおこう。昔の年月日の表記を、いま使う暦へ直す作業は別だからね。
細かすぎる? いや、このひと区切りが効くんだよ。
別の記録と日付を比べるとき、年だけ西暦にしたメモと、月日も換算したメモが混ざっていると、同じものさしで並べたように見えてしまう。最初から「原資料の年月日」と欄に書けば、後から見直す自分にも親切。
もう一つ、場所の常楽寺もそのまま残しておこう。相撲という出来事だけを抜き出すと、次に出てくる安土の話が簡単に合流してしまう。場所は背景の飾りじゃなく、別の出来事を区切る印として働いてくれる。
読んでいる途中に「これも信長が主催した相撲だから、同じ話かな」と迷ったら、先に日付と場所へ戻る。人物の顔ぶれを全部比較するより、入口を二つに分ける方が早い。
登用については、図書館の説明をもとに、「二人」「御家人」「相撲奉行」を別々にメモするのがよさそう。二人という人数は登用される側、御家人は迎えられた立場、相撲奉行は役目に関する言葉。それぞれ別の質問に答えている。
役名が出たからといって、現在の大会運営の仕事内容へそのまま置き換える必要はないよ。「現代でいえば何の係?」は分かりやすい問いだけれど、仕事の具体的な中身を確かめる前に答えを作ると、親しみやすさが先走ってしまう。
まず役名を残す。その先を知りたくなったら、現代語訳の本文や注を見て、どこまで説明されているか確認する。この順番なら、言葉の面白さも、その時代の違いも一緒に持って読める。
安土は1578年。1500人という数字の隣に、何を書いておく?
次は安土。
同じ図書館資料は、天正6年、1578年に信長が安土山で相撲を見たことを取り上げ、1500人の力士を呼び寄せたと紹介している。
せ、千五百人!
数字が大きいからこそ、ここは「1500人」だけでメモを止めないでね。力士の人数として紹介されている数字だよ。観客を1500人集めた、という説明へは変えない。
人数の後ろに「誰の人数?」を一語足す。力士。これで、後から記事や動画の説明を見るときにも比べやすくなる。
図書館の説明には、辰の刻から酉の刻までという時間も出てくる。資料では午前8時頃から午後6時頃と案内しているけれど、その近似の時刻を使って「現代の時計で、ぴったり10時間の大会」と断定するのは控えよう。
「頃」がついた案内は、その幅を含めて受け取る。当時の時刻表現を、腕時計の記録みたいに扱わない。この違いを残しても、一日のかなり長い時間にわたる相撲の記録だと読む入口はちゃんと作れる。
人数と時間がそろうと、会場の情景を想像したくなるよね。そこは読書の楽しみ。ただ、信長がどの席で何を言ったか、力士がどんな気持ちで立ったかまで、今回の資料から実況することはできない。
代わりに、次の本文で確かめたい問いを作ろう。「力士はどこから集められたのか」「勝負の組み方はどう記されるか」「褒美は誰に与えられたか」。答えが公開資料にない問いは、答えがないままメモしておいていい。
全部を今埋めなくても、その空欄が本を開く理由になる!
ここで常楽寺のメモを隣に置くと、二つの関心が分かれる。常楽寺では登用と役目、安土では集められた力士の規模や時間。どちらも相撲だけれど、同じ項目ばかり追う必要はないんだよね。
資料案内では、信長がたびたび相撲を観覧し、優れた者に褒美を与えたり召し抱えたりしたことも説明されている。ただし、その総括を個々の開催日に全部貼り付けないこと。「たびたび」の話と、一回の具体的な記録を行き来しながら読もう。
本のどこを開く? 別の訳注版の公開目次が、場所を探す手がかりになる
いざ『信長公記』を探そうとすると、版がいくつもあって迷うんだよね。相撲の話がどこにあるか、買う前に見当をつけたい。
その手がかりになるのが、武蔵野書院『訳注 信長公記』の公開目次。これは太田牛一著・坂口善保訳注、ISBN9784838604784の本だよ。今回の楽天リンクで案内する中川太古訳の本とは別の版なので、そこは分けて見よう。
武蔵野書院の目次には、巻三、元亀元年の中に「常楽寺にて相撲の事」があり、巻十一、天正六年には「相撲の事」と「小相撲の事」が並んでいる。
なるほどっ。作品の中で探す年と巻が見えてきた!
この目次でできるのは、相撲の記録を探す場所に当たりをつけること。別版にも同じページ番号がある、同じ訳文になっている、同じ注が付いている、という意味にはしない。
本を手にしたら、まずその本自身の目次を見る。相撲の見出しが見つからなければ、元亀元年や天正六年を入口にする。ページを共有したいときは、書名だけでなく訳者と出版社も添えると、相手が違う本を持っていても探し直せる。
たとえば友達と同じ場面の話をするなら、「何ページ?」の前に「中川太古訳の文庫で読んでいるよ」と一言。ページ番号を伝えるのは、その後でいい。
もう一つ気になるのが、巻十一に二つの相撲の項目があること。目次だけで両方を同一の開催と決めつけず、本文の年月日や前後を読む必要がある。「相撲」という単語が同じだから同じ話、にはならないんだよね。
ここは本文を開くときのチェック欄にしておこう。「見出し」「年月日」「場所」の三つ。複数の項目が出てきたら、その都度新しい行を作る。見出し名が似ていても、行を分ければまだ一つにまとめずに済む。
このやり方は、最初から正しい年表を作ろうと構えなくていいのも助かる。読書中の仮のメモだから、不明の欄が残っていていい。後で記述を見つけたところだけ埋めていこう。
現代語訳を選ぶなら、題名より先にISBNと訳者を合わせよう
では、購入候補の本の情報もそろえようね。
KADOKAWAが案内しているのは『現代語訳 信長公記』、紙の本のISBN9784046000019。発売日は2013年10月9日と記載されている。楽天のbookfan 2号店の商品情報でも、太田牛一著、中川太古訳、同じISBNを確認できる。
題名の表示は「信長公記 現代語訳」と順序が変わることがあるけれど、そこで別の本かと慌てなくて大丈夫。ISBNと訳者が、合わせるための具体的な目印になる。
ISBNは13桁。商品ページを開いたら、この数字をそのまま比べてみて。検索結果の大きな題名だけで決めるより、本を取り違えにくい。
今回のリンクはこのISBNで探す楽天の検索ページ。新品や中古、別の販売店が出る可能性があるので、選んだ先で状態、送料、発送条件を確認してね。検索に出ることと、希望の条件で注文できることは別に確かめたい。
商品写真も、本そのものを見分ける助けにはなるけれど、帯の有無などは商品情報を優先しよう。bookfanの商品ページには、画像が実際と異なる場合があるという案内もある。帯に載っている説明が気になって買うなら、帯が付くかを勝手に前提にしない方がいい。
今回、出版社と販売店のページ数表記には違いがあったので、「何ページの本だから、この箇所は何ページ」とは案内しない。ページ数だけを使って版を見分けるより、ISBNと訳者を合わせる判断を優先しているよ。
KADOKAWAの紹介によると、『信長公記』は信長の旧臣・太田牛一の見聞した記録をもとにした一代記。戦国の人物を扱う作品を選ぶとき、創作として描かれた物語と、記録を読むための現代語訳では、期待するものを少し変えたい。
今回は相撲の記述と、その前後を確かめたい。その目的なら、まず現代語訳で文章を追い、地名や役名で引っかかったところを次に調べる読み方が候補になる。古文を一から全部読めるようになってから、と思わなくても、読む目的を持って本を選べる。
ISBN9784046000019の『現代語訳 信長公記』を探す
最初の読書メモは二行から。好きだった理由は、まだ空欄でいい
最後は、本を開いた後に使うメモを決めよう。
まず二行だけ。常楽寺、元亀元年。安土、天正六年。この二つを別に置けば、今回いちばん避けたい混同を先にほどける。
そこへ、資料で確認できた人数や行為を書き足す。常楽寺の二人の登用、安土の1500人の力士。まだ同じ開催の数字としてつながない。この段階では短いメモで十分だよ。
次に本文を読み、褒美、召し抱え、役目に関する記述が出たら、その行に追記する。どの訳者の本で、どの項目を読んだかも残しておくと、続きを別の日に読んでも戻りやすい。
たとえば空欄の見出しは、「勝負の後にしたこと」「対象になった人」「本文でまだ分からないこと」。ここまで用意すれば、ただ面白い逸話を集めるだけでなく、その一件の流れを追う読書になる。
では、信長はなぜ相撲が好きだったの?
そこ、知りたくなるよね。ただ、観覧や登用の記録があることと、その内心が全部分かることは別。力のある人を探したかったのか、見て楽しんでいたのか、他の目的もあったのか。今回確認した資料だけで、本人の理由を一つに確定することはできない。
だから、その欄は今は空けておこう。空欄のままでも、収穫はある。
相撲を見た、という入口から、人を迎え、役目を任せるところへ目を向けられた。さらに、その話がどの年のどの場所にあるのかも分けられた。次に読む本文で、確かめたいことがちゃんと決まっている。
本を最後まで一息に読み切る予定を立てなくてもいい。最初は常楽寺の項目を探して、その前後も読む。読み終えたら、二人が登用された話のどこに自分の疑問が残るか、一行だけ書く。
そこから安土へ進めば、1500人という大きな数字も、さっきの二人とは違う場所に置いて読めるよ。
相撲の話が気になったなら、入口はもうある。まず一件、開いてみよう! 合戦だけでは拾えなかった信長の記録を、具体的な行為から追っていこうね。